炭素税vs排出量取引

こんにちは。よもぎです。

学校の勉強に加え経済の勉強も忙しいですが息抜きに新書とかを読んだりしてます。こういう時、図書館に行くと新書が豊富にあるので飽きないですね。

さて、最近借りた面白い本として、『入門 環境経済学』を紹介しときます。アフィカスのごときAmazonリンクを貼ってますがこれはあくまで読者に良質な本を簡単に手に入れられるようにゴニョゴニョ


2002年刊と若干古いですが、地球温暖化や廃棄物問題など現在にも通じる根深い問題を環境経済学の視点から解説していてとても面白い本でした。2時間ほどで通読でき、かつ面白いのでおすすめできます。

さて、今回のタイトルは炭素税vs排出量取引です。ミクロ経済学を少しかじった人ならご存じのように、炭素税と排出量取引は温室効果ガスの排出を抑制し、社会的利益を最大化できるすんばらしい制度でございます~。(なお需要が弾力的な場合に限る)近年カーボンプライシングなんてよく言いますし、結構世界でも流行しているようですね。(ざっくり訳すとCO2に価格をつけようぜって言う話)
ちなみに、温室効果ガスを抑制すると言っても経済的に良い排出量まで抑制できるという意味ですからね。ゼロエミッションとかよく聞きますけど、現実的じゃないですね。

で、今回考えたいのは地球温暖化対策の経済学的なアプローチとして炭素税と排出量取引があるんですけど、結局どっちがええのん、って言う話題です。どっちもメリットデメリットは存在するんですよね。

まず炭素税が排出量取引に勝ってる部分なんですが、これは行政コストが低いことが挙げられますね。プロセスとしては、「1税率の決定→2徴収」で終了ですからね。一方の排出量取引では初期の排出枠をどのように分配するかで絶対揉めますね(;´・ω・)場合によっては政治家と癒着して…なんてことも考えられるし。

あと排出量取引は決められた排出量をモニタリングするのにもコストがかかりますね。どっかの企業がルール破ってればそれこそ制度崩壊ですし。制裁など対策が無ければゲーム理論でいう囚人のジレンマと同じような状態になるのが目に見えます。なかなか維持することが難しい&行政コストがかかるっていうのが排出量取引の大きな問題ですね。

一方で炭素税にもデメリットはあります。まず国民が反発しますね(`・ω・´)炭素税の導入で一部は消費者にも負担が転嫁されるわけですから、まあ当然ですね。以前炭素税が議論された時もかなり炎上してましたけど、「デフレ下でまた税金がー!」とか確実になりますね。(まあ厳密にはデフレ*注・2年連続物価下落じゃないんですけどねw)


まあそんなことはどうでもいいとして、私も物価上がるの単純に嫌ですし。税収は増えるんで社会的利益は増えるんですが。そこをどう乗り越えるかのハードルが高そうですねぇ。

たとえば炭素税+減税を一体で打ち出すとかポリシーミックスも考え始めるとキリがないですが、まあオプションとして考えられることはいろいろあるとは思います。。。

あと、以前温室効果ガスを46%削減するなんて言ってましたが、削減目標に対してどれだけの炭素税が必要かを政府がピッタリ推定するなんて現実的じゃないですからね。それに合わせて炭素税を変動させることになればまたいろいろと国民からの反発もありそうですし、難しいですなぁ。

ちなみにこれは環境省のPDFから引っ張ってきたんですが、諸外国では炭素税+排出量取引のポリシーミックスが主流だそうですね。

日本は国レベルでの炭素税や排出量取引をしているなんて言う話はあんま聞かないですけどね。(リサーチ不足であればすんません)まあただ日本は温室効果ガス削減の技術はかなりいいもの持ってるんですが、制度的に未熟なところが多いのでいろいろと検討してほしいものですね。

ただ、このカーボンプライシングの議論で面白かったのは、例えば炭素税+排出量取引ポリシーミックスの議論において
A「いんじゃね」
B「いんじゃね」
C「二兎を追う者は一兎をも得ずにならね?」
ていう感じでめちゃくちゃふんわりした議論でちょっと笑っちゃったんですけど、日本の政策ってこんな感じで決まってるんですかねぇwしーらね。

そして最後に恒例なんですが、わたくし金欠すぎてあまり本が買えない状況なので、支援していただけると泣いて喜びますよろしくおねがいします_(._.)_

*追記(2021/10/05)
おとな研究所の方でこの記事の真面目Ver.を作ったので良ければそちらもどうぞ_(._.)_

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