浦和vs神戸 決勝点となった大迫はオフサイドの判定が妥当だった?
こんにちは。よもぎです。
昨日、野球の侍ジャパンが広島と練習試合を行いました。我らがタイガースの森下が井端体制になって以降初のホームランを放ち、ニンマリしています笑。勝負所だったりなにかの一番目をかっさらっていくあたり、並のルーキーではないですよね。
さて、今日の話題はうってかわってサッカーのお話。昨日行われた浦和レッズ対ヴィッセル神戸の試合で話題になっていることがありましたので、取り上げようかと思います。
経緯
浦和と神戸、ともに優勝のかかった大きな試合。特に浦和にとっては勝たなければ優勝の可能性が潰えてしまうという条件でした。これがのちに波乱の展開を生みます。
前半は非常にインテンシティの高いゲーム展開でお互いピリッとしていましたが、後半になりゲームが動きます。72分に神戸が先制、勝つしかない浦和は攻勢を強めます。そのままスコアは動かずアディショナルタイムは6分の表示。すると後半アディショナルタイム1分にホセカンテが同点ゴール、浦和のボルテージは最高潮になりますが浦和はあと1点が必要です。
迎えたアディショナルタイム4分、浦和は深い位置でフリーキックを獲得。するとゴールキーパー西川が絶好の機会とみてか攻撃参加することに。(アディショナルタイムが残っており、かつどうも西川の独断による攻撃参加でこちらはこちらで議論になっていますが、今回は取り上げません)
しかしながら、キッカー中島がファーに蹴ったボールは誰も合わせることができずに神戸GK前川のもとに。西川が攻撃参加しているため浦和ゴールががら空きの中、前川は前線に残っていた大迫にパントキック。大迫はこの絶好機をしっかりと決め切り、神戸が劇的な形で勝ち越し勝利を得ました。
ここで議論になっているのが、その決勝点のシーン。GK前川から大迫へのフィードなのですが、大迫がオフサイドポジションにいたのではないかという疑惑が、試合終了後Twitterで拡散されました。DAZNのカメラでは前線に残っていた大迫の位置が映っていなかったのですが、現地観戦していたファンによる映像がTwitterで瞬く間に広がりました。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) November 12, 2023
🏆 明治安田生命J1リーグ 第32節
🆚 浦和vs神戸
🔢 1-2
⌚️ 90+6分
⚽️ 大迫 勇也(神戸)#Jリーグ#浦和神戸 pic.twitter.com/KLAPZWt23i
浦和レッズvsヴィッセル神戸
— さとてつ (@tesatojp) November 12, 2023
終了間際の失点。
オフサイドだよなー#浦和レッズ#ヴィッセル神戸#浦和失点#埼玉スタジアム pic.twitter.com/nH4tGqDjMO
オフサイドラインはどこ?
この件について私の見解を述べていきたいと思います。なおあらかじめ言っておきますが、私自身は川崎ファンであり、浦和神戸どちらに肩入れしようというつもりはありません。
まずオフサイドの定義についてです。原則オフサイドは敵陣で後方から2人目の守備者のいる位置より前にいる場合に適用されます。これは敵陣で待ち伏せすることを防ぐためのルールです。
今回の事例でややこしい点がいくつかあります。まず最初に、普段GKが最後尾にいるので「後方から2人目の守備者」はDFの最後尾になります。しかし、GKは前述したように敵陣ゴール前に飛び出しています。今回の例だと浦和の大畑がDFの最後尾にあたりますが、ここはオフサイドラインではありません。
では今回の場合オフサイドラインはどこに当たるのか。それは敵陣と自陣を隔てるハーフウェーラインです。浦和の後方から2人目の守備者は神戸から見て自陣に入っているので、オフサイドラインの定義である「敵陣で」の部分に該当し、ハーフウェーラインがオフサイドラインとなります。
裏を返せば後方から2人目の守備者より前にいても「自陣」にいれば問題ないわけです。恐らくゴールを決めた大迫もそれをわかっていて、ハーフウェーラインぎりぎりの立ち位置をしています。しかし、上半身の一部がハーフウェーラインに残っているように見えます。
ラインに残っていればインプレー?
ここでさらにややこしい点があります。Twitter上では大迫はハーフウェーライン上に足を残しているからインプレーだという主張が見受けられました。
ライン上がインプレーかアウトオブプレーかは様々な種類があります。例えばPKの際GKはラインから体が出ていても、どちらかの片足がラインに残っていれば正当なプレーです。また、ワールドカップで三苫の1ミリが話題になりましたが、これもボールが僅かにラインにかかっていたのでインプレーでした。恐らく上記の主張をしている方はそれと混同しているのでしょう。
ここで、JFAの競技規則を確認しましょう。
競技者は、次の場合、オフサイドポジションにいることになる。
頭、胴体もしくは足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーラインを除く)。
サッカー競技規則2022/23 より
今回この但し書きである「ハーフウェーラインを除く」の解釈の仕方で誤解が生じているのではないかと思います。しかしその前に、体の一部が相手競技者のハーフ内にある場合はオフサイドポジションになると書かれています。今回のケースですと、大迫はラインから体が一部はみ出しており、オフサイドに該当すると思われます。
類似事例として、7月15日に行われた横浜FM対川崎の試合のオフサイドを挙げておきます。ここでは家長がハーフウェーラインより体が出ていたとしてオフサイドの判定となっています。
浦和対神戸の大迫の決勝点がオフサイドでないかと議論になってますが、参考までに家長さんのオフサイド貼っておきます。
— よもぎ (@Yomogi_hs) November 12, 2023
この場合は「線を踏んでいたらオフサイド」でした。#浦和レッズ#ヴィッセル神戸 pic.twitter.com/lig23R4P1O
ハーフウェーラインを除くというのは、ハーフウェーラインの真上は敵陣とみなさないという意味だと推察されます。コート上のハーフウェーラインは12㎝の幅があります。この12㎝の真上に乗っかっているが、それより先に体が出ていない場合はオフサイドではない、という意味合いだと思われます。
そもそも一般的にオフサイドは体の一部分が出ていれば即刻反則になります。ハーフウェーラインであればそうではない、というのは無理筋だと思います。
結論
私の見解として、大迫はオフサイド、ゴールは認められるべきではなかったというのが結論になります。
このゴールは優勝争いを大きく左右する勝ち点を神戸にもたらしたわけで、かなり大きな話題となっています。Jリーグがどのように対応するのかはわかりませんが、今後の推移を見守っていきたいと思います。
それではまた。
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